Virtual Value Engineering(VVE)の試行
コロナウィルス拡大の影響から、チーム活動によるVEプロジェクトを実施することが難しくなってきています。
VEに限った話ではなく、通常の業務の中でも、テレワークを導入されている企業や、外部の方の出入りを禁止という措置を取っている企業も増えています。
こういった状況なので、ネットワーク会議(テレビ会議)をする機会が格段に増えてきたことから、今までよりも多くの人がネットワーク会議のためのアプリの使用に接する場面が多くなっています。
リモートでVEプロジェクトの推進を可能とする環境が広まってきているのではないかと考えた背景がここにあります。
コンサルタントとして、企業へのVEを導入する立場として、プロジェクトのためにメンバーを集めることも難しい、外部から訪問するのも難しい場合がある、といったケースが多くなってきたため、このような環境でもVEプロジェクトを推進する手段を模索してきました。
そこで、”VVE(Virtual Value Engineering) / “VVM(Virtual Value Engineering)”を試行することにしました。
親しくしているアメリカやヨーロッパのVEコンサルタントの方々もすでに実践されており、しかも私はIT分野のスペシャリスト、これは試しておかないわけにはいかない、ということでの試行です。
ネットワーク会議のためのソフトウェアも機能が充実してきており、ネットワーク環境も進歩してきているため、IT技術としては現実的な環境を作り出せる時期に入っていると考えていたことも、VEプロジェクトへの活用を試行したキッカケでもあります。
結果からいうと、リアルと変わらないくらいに活動できました。
画面に没頭し始めると、普段のように目の前で集まって活動しているのと変わらないコミュニケーションを取ることができていたのです。
VVEのポイントとして気付いた点は、次の2点です。
・ファシリテーションスキル
・書記係のITスキル
顔を合わせてのVE活動ではないため、リモートで顔を合わせている環境ならではのファシリテーションスキルが必要になるということ。
リアルな活動でのスキルに加えて、VVEならではのファシリテーションスキルが無いと、メンバーの集中力や頭の働きの活性化を上げることができないであろうと感じました。
じゃ、具体的にVVEでのファシリテーションスキルってなに?という点ですが、もう少し回数を重ねて「VVEファシリテーションスキル」としてまとめようと考えています。
次に書記係のITスキルについてです。
チーム内で書記係を決めてVE活動を進めていくわけですが、リアルであれば、目の前のワークシートに直接書き込んでいくことになるので、それほど大きく問題になることはありません。
(字であったり、書き方の上手い人・そうでない人の違いはありますが)
しかし、VVEとなると、PCやタブレット上でワークシートに書き込んでいくことになります。
ワークシートをリモート会議用のアプリで画面をメンバ間で共有して進めていくことになります。
ここで、いかに上手く自分のPCやタブレット上のアプリを使いこなせるかで、メンバーの思考を途切らさないでいられるかが変わってきます。
書記係がワークシートに書き込む時にモタモタしていると、その様にメンバーが気を取られてしまい、活動に集中していた思考が途切れてしまうのです。
少なくとも、リアルの場でワークシートに書き込んでいくのと同様のスピード感で操作ができるかが、2つ目のポイントだと感じました。
ワークシートとして使うアプリの選択、メンバが自由に書いて共有できるアプリの選択が重要になるということです。
今回のVVEの試行では、Zoom + Concepts / Windows + Mac + iPadを使った構成で実施しました。
書記係がConceptsに書き込んでいき、Zoomで画面共有する構成です。
コミュニケーションのしやすさを考慮すると、メンバ全員が自由に書き込み、その内容を共有できるアプリも併用するとより良いと思います。
リアルな場でも、ホワイトボードに絵を描きながら、メンバ間で情報や考えを共有しあう場面があります。
リアルでさえも、このようなコミュニケーションが発生しますので、VVEにおいてもこれに相当するアプリも使えるような環境が望ましいと考えています。
例えば、Microsoft Whiteboardのようなアプリです。