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イチロー引退とイチローの価値

日本でのMLB開幕戦が終了し、試合後、イチロー選手の引退会見が開かれました。
開幕戦は見に行けませんでしたが、ラッキーなことにプレシーズンマッチとして巨人との試合には見に行くことが出来ました。
調子は悪そうでしたし、引退をささやいている人もいましたが、まさかこの日本で引退表明がなされるとは思ってもいませんでした。

試合前バッティング練習中。。。を終えた直後

VE視点で分析してみようと、会見を最初から最後まで見て、イチロー選手が選手としてこれまで達成してきたファンクションと価値、そして引退について考えてみようかと思いました。

「Value = Function / Resource(Cost)」という視点で”価値”を語るのは、非常に難しいことが分かりました。
達成してきたファンクションはいくらでも挙げることはできるのですが、リソース(コスト)という面を簡単に測ることが難しいためです。

イチロー選手に何年も密着してきていれば、ファンクションを達成するために費やしたリソースを知り得るわけですが、外野から見ていただけの人間には、測ることが難しいということです。

費やされたリソースは、練習時間・試合時間だけではなく、日々費やす時間、それは生活面、思考面などほとんどの時間が費やされているわけです。
そして、選手個人どけではなく周りのスタッフの活動などあらゆるリソースの上に、様々なファンクションが成り立っているわけです。

ある意味、「測ることのできない価値を発揮していた」とも表現してしまっても良いのかもしれませんが。
困難なだけで、測ることは可能ではありますが。

しかし、会見の言葉から、イチロー選手がどのような価値を生み出していたのかを考えてみました。

会見中、「後悔は?」という質問に対して、「重ねることでしか、後悔を生まないという事はできない」という回答をしていました。
この言葉にこそ、イチロー選手の価値が全て凝縮されていると感じました。

イチロー選手は、これまでにも、数々の記録を達成してきました。しかし、そのような際でも、いつも、記録は記録でしかなく、感じること・達成感などは特にない、と言っていました。
それよりも、日々、淡々と同じことを積み重ねていくことが、遠くまでたどり着くための唯一の方法だと述べていました。

毎日「積み重ね」続けるのは、誰にでも出来ることではありません。
でもイチロー選手は、NY、Miamiに移籍し、出場機会も減る中でも、毎日積み重ねることを欠かさなかった。
そして、限られた機会の中でも、与えられた役割を全うし続けてきた。
その結果、昨年、Seattleにも復帰し、途中から会長付特別補佐というポジションとなり選手登録からは外されましたけれども、それでも”積み重ね”続けてきた。

様々な大記録よりも、こういった姿勢に、イチロー選手の価値が表れていると感じました。

そして、今シーズン、選手登録としてカムバックすることとなりました。
残念ながら、昨年の実践からの遠ざかりの影響なのか、年齢・体力的なものなのかは分かりませんが、今まででは考えられないような成績の低迷となりました。

しかし、私はそのような状況であっても「最低でも50歳以上でも現役を続ける」と言い続けてきたイチロー選手のこれまでの言葉が、現実のものになるのではないかという期待を、心のどこかしらで持っていました。
今までも、オープン戦、シーズン序盤にはなかなか成績を残せないこともありました。
そんな感じじゃないの?と思っていたのです。
このため、開幕戦2戦目の最中に”試合後に会見予定”、MLB HPで”引退報告”という情報が、中継中に伝えられてきたことは驚きでした。

私自身に重ねてみると、2009年にVE(ファンクショナル・アプローチ)と出会い、学び、研究し、実践に活かす、ということを続けてきました。
まだ10年間ではありますが、日々の積み重ねがあったからこそ、最高位の認定資格であるCVS・FAコンサルタントにもたどり着けましたし、研究内容が認められ海外の国際大会での論文発表を重ねることができるようになりました。

では、なんでもかんでも”積み重ねる”ことができるのか、というとそういう訳ではありません。
イチロー選手の引退会見で、「子供たちへのメッセージは?」という質問に「自分が夢中になれるもの・好きなものを見つけること」と回答されていまいた。
「夢中になれるもの」だからこそ、積み重ねることができる、続けることができるのだということです。
「好きなもの」だからこそ、壁にも立ち向かえるということを話されていました。

私がVEに取り組む中でも、いくつもの壁がありました。
何度となく壁にはじき返されました。
でも、”好き”だからこそ、”夢中になれるもの”だからこそ、壁に挑み続けることができ、そして時間がかかってでも乗り越える経験を得ることができました。

そして、今は、好きだと思えることに取り組めるために、CHIKARIZEを立ち上げ積み重ね続けているわけです。

イチロー選手の引退でも明らかになりましたが、イチロー選手の価値は、決して、目に見える記録・プレイというカタチだけではなく、その裏にある思考・姿勢にこそあるのだと思いました。

と、このように書きましたが、驚いたのは各テレビ局の対応。
会見で話してるタイミングおかまいなしのCM差込み
挙げ句の果てには、予告もなく次の番組へ
「生けるレジェンド」とアメリカで称された選手の会見に対応できなかったのでしょうか。
結局、全会見をテレビでは見ることができなかったので、リアルタイムでツイートしてくれている記者さんの文字を眺めているだけでした。

全文起こしをしてくれているので、興味のある方はコチラから、どうぞ。CM
BuzzFeed Newの吉川さん、ありがとうございました!

貫いたのは「野球への愛」 イチローが引退会見で語ったこと【全文】
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