クラウドファンディングの「機能(ファンクション)」
今ではもう当たり前のように浸透してきた「クラウドファンディング」について、気付きがありました。
私自身、過去にも何度かクラウドファンディングに出資をし、出身のリターンとして新しい商品を得てきました。
プロジェクター付き照明、段ボールで作られたお一人様用部屋、首掛け空気清浄機、ハンドメイドアクセサリー、IoT化用電源プラグ、スマホ除菌機などなど。
(こうして思い返すとかなり手を出してますね)
Makuakeというクラウドファンディングのサービスがありますが、その中で、「自宅でもアウトドアでも侍気分!関刃物職人による『名刀包丁(小)』」 という商品に惹かれてしまいました。
個人的に好きなのです、こういう戦国時代物。<https://www.makuake.com/project/nikken-cutlery3/>
この商品の説明を読んでいて、クラウドファンディングを、自社製品・技術のPRの場として利用する決断をされたとのこと。
単に、自分の作りたいモノ、やりたいコトの資金調達のための機能(ファンクション)だけではなく、その他のファンクションを果たすことができることに気付かされました。
クラウドファンディングという仕組みでは、当初は《自社をPRする》というファンクションは、意図されていたものではありません。
バリューエンジニアリング(VE)では、設計者・提供者が意図したファンクションを分析していきます。
「クラウドファンディング」のファンクションを分析すると、製品や技術への《注目を集める》、《露出機会を増やす》、《》といったファンクションを持ち合わせていることが分かります。
この名刀包丁を開発したニッケン刃物株式会社さんでは、クラウドファンディングには、これらのファンクションがあることに着目し利用をしたわけです。
その上で、自社の技術をPRするためにクラウドファンディングを利用したことになります。
(ニッケン刃物さんがVEを活用したわけではないかと思いますが)
今日時点で当初の目標額の95%の資金調達ができているので、PRにかかる費用としてはほぼ想定通りになると思われます。
ただし、クラウドファンディングで露出したことによって、どの程度、会社や技術への注目を集めたかは分かりません。
クラウドファンディングサービスでは、どれだけの閲覧者がいたのかは分からないはずだからです。
このことから、正確にどの程度、価値が向上したのかを評価することは難しいと思います。
前述のとおり、クラウドファンディング(Makuake)の設計者が意図した使い方ではないので仕方ありません。
ただ、元々の設計者や提供者が意図していなかったとしても、備えているファンクションを見出して新たな活用をすることで、価値を向上させることができる良い事例だと感じ、取り上げてみました。